令和6年7月3日開催の「第16回 社会保障審議会年金部会」において「令和6年財政検証」の関連資料が公表されたことはお伝えしました。
「財政検証」は、国民年金法及び厚生年金保険法に基づき、少なくとも5年ごとに、今後概ね100年間の公的年金財政の見通しを検証するものです。
報道などで大きく取り上げられていますが、厚生労働大臣の記者会見でも、次のような質疑応答が行われています。
納付期間延長の見送りについても発言がありましたので、そのポイントを紹介しておきます。
記者:財政検証結果が公表されましたが、そちらの受け止めと、今後の制度改正をどのように進められていくか、お願いいたします。
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大臣:令和6年の財政検証の結果については、近年の女性や高齢者の労働参加の進展や積立金の運用が好調であったことにより、5年前の前回の財政検証の結果と比べ将来の給付水準が上昇し、将来の経済成長率を高いものから1人当たり成長率がゼロのケースまで4つのケースにわけて検証したもののうち、1人当たりの成長率をゼロと見込んだケースを除いた3つのケースにおいて、将来にわたって所得代替率50%を確保できることが確認されました。
この結果を踏まえれば、公的年金制度の持続可能性が確保されていることが改めて確認できたと私は思います。
今後は今般の財政検証の結果も踏まえて、社会保障審議会年金部会において年末に向けて取りまとめていただくということになっておりますので、年末までに丁寧に、しっかり議論させていただきたいと思います。
記者:納付期間延長の見送りの判断についてはいかがでしょうか。
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大臣:基礎年金の給付水準については、被用者保険の更なる適用拡大等を通じた改善は必要だと考えています。ただ、今回の財政検証及びオプション試算の結果を踏まえると、次期改正において、基礎年金の拠出期間を延長し、国民に追加的な保険料負担を求めてまで給付水準を改善する必要性は乏しいという受け止めをしました。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<武見厚生労働大臣会見概要(令和6年7月3日)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000194708_00716.html