【コラム】介護離職防止のための個別周知・意向確認等が事業主の義務に

公開日:2025年2月7日

 

 

【コラム】介護離職防止のための個別周知・意向確認等が事業主の義務に


<株式会社ブレインコンサルティングオフィス 社労士チーム>

育児・介護休業法の改正により、介護離職防止のための雇用環境整備、個別周知・意向確認等の措置が事業主の義務とされることをご存じですか?

令和7年4月1日から、介護離職防止のため、次のような措置が事業主の義務とされます。

□ 介護離職防止のための雇用環境整備
介護休業や介護両立支援制度等(※)の申出が円滑に行われるようにするため、事業主は、次の①~④のいずれかの措置を講じなければなりません。

<雇用環境整備に関する措置>
 ① 介護休業・介護両立支援制度等に関する研修の実施
 ② 介護休業・介護両立支援制度等に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
 ③ 自社の労働者の介護休業取得・介護両立支援制度等の利用の事例の収集・提供
 ④ 自社の労働者へ介護休業・介護両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知
 ※介護両立支援制度等……介護休暇に関する制度、所定外労働の制限に関する制度、時間外労働の制限に関する制度、深夜業の制限に関する制度、介護のための所定労働時間の短縮等の措置をいいます。

 

□ 介護離職防止のための個別の周知・意向確認、情報提供
(1)介護に直面した旨の申出をした労働者に対して、事業主は介護休業制度等に関する次の事項の周知と介護休業の取得・介護両立支援制度等の利用の意向の確認を、個別に行わなければなりません。
   注.取得・利用を控えさせるような個別周知と意向確認は認められません。
(2)労働者が介護に直面する前の早い段階で、介護休業や介護両立支援制度等の理解と関心を深めるため、事業主は介護休業制度等に関する次の事項について情報提供しなければなりません。なお、その情報提供の時期(労働者が介護に直面する前の早い段階)とは、次のいずれかとされています。
   ●労働者が40歳に達する日(誕生日の前日)の属する年度の初日から末日までの期間
   ●労働者が40歳に達する日の翌日(誕生日)から起算して1年間

<周知事項、情報提供事項>
 ① 介護休業に関する制度、介護両立支援制度等(制度の内容)
 ② 介護休業・介護両立支援制度等の申出先(例:人事部など)
 ③ 介護休業給付金に関すること

<個別周知・意向確認、情報提供の方法>
 ①面談 ②書面交付 ③FAX ④電子メール等 のいずれか
 〈補足〉①はオンライン面談も可能。個別周知・意向確認において、③④は労働者が希望した場合のみ

 

なお、介護離職防止のための個別周知・意向確認、情報提供について、厚生労働省から、次のような資料が公表されています。
<(介護休業等)個別周知・意向確認書、40歳情報提供記載例>
https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fwww.mhlw.go.jp%2Fcontent%2F11909000%2F001397896.doc&wdOrigin=BROWSELINK
<(介護休業等)事例紹介、制度・方針周知ポスター例>
https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fwww.mhlw.go.jp%2Fcontent%2F11909000%2F001397899.doc&wdOrigin=BROWSELINK

これらの資料を、社内用にアレンジする等して活用し、確実に義務を果たすようにしましょう。

執筆

株式会社ブレインコンサルティングオフィス 社労士チーム

 

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