① 業務内容と責任の程度、人材活用の仕組み・運用などが、すべて正社員と同じである場合は、正社員と同じ待遇が求められます。【均等待遇という考え方】この場合、ボーナスの支給も必要となります。
② 一方、これらのすべてが同じでない場合には、正社員との待遇差に合理性があるか否かによって判断され、不合理は禁止されます。【均衡待遇という考え方】
法令上は、①は義務で、②は努力義務といった規定になっています。
〔参考〕同一労働同一賃金に関する主な法制度(厚労省HP)
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http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000190516.pdf
したがって、アルバイトの方が、①に該当する場合には、支給する方向で早急に準備を進め、②に該当する場合には、支給すべきかどうかを今一度検討する、といった対応が必要になります。
ご質問にあったアルバイトの方が、たとえば、学生さんで、学校卒業後にはアルバイトも卒業(退職)することが決まっているような場合には、貴社の将来を担っていく正社員の方とは人材活用の仕組み・運用が根本的に異なることになるため、②の均衡待遇の問題になります。
②の判断材料(合理性の判断の基準)となるものとして、「同一労働同一賃金ガイドライン案」があります。
同一労働同一賃金の実現に向けた法整備が進められていますが、このガイドライン案は、そのベースとなるものです。
あくまでも方針を示すもので、法的な拘束力はありませんが、裁判で判断基準とされるような内容がまとめられています。
ガイドライン案で、ボーナス(賞与)については、次のように示されています。
『賞与について、会社の業績等への貢献に応じて支給しようとする場合、正社員(無期雇用フルタイム労働者)と同一の貢献である有期雇用労働者又はパートタイム労働者には、貢献に応じた部分につき、同一の支給をしなければならない。また、貢献に一定の違いがある場合においては、その相違に応じた支給をしなければならない。 』
なお、貢献度にかかわらず一律支給となっているような賞与・手当(たとえば、出社した社員全員に支給する年末年始勤務手当など)については、「パート・アルバイトだから支給しない」というような取り扱いは「不合理」と判断されます。
ガイドライン案では、賞与や各種の手当について、均衡待遇の基準が示されていますが、賞与や手当の性質によっても判断は異なってきます。
一度、ガイドライン案をご確認ください!
こちらで、概要から原文までご覧になれます。
<同一労働同一賃金ガイドライン案(厚労省HP)>
≫ http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000190591.html
〔参考〕最近の裁判の動向について、興味があればご覧ください。
<非正規と正規の手当の格差 一部は不合理(地裁で判決)>
≫ https://www.kaiketsu-j.com/index.php/topix/126-saiban/6715-2018-02-22-09-30-40
※この回答・解説は平成30年4月10日時点のものになります。