令和5年9月25日、岸田総理が新たな経済対策について会見を開き、報道でも大きく取り上げられています。会見のポイントは次のとおりです。
- 明日(令和5年9月26日)の閣議で、来月中をめどに経済対策を取りまとめる指示をする。今回の経済対策については、2つ大きな目的がある。
第1に、物価高に苦しむ国民に対して、成長の成果について適切に還元を行うこと。
第2に、日本経済が、長年続いてきたコストカット型の経済から30年ぶりに歴史的転換(「冷温経済」から「適温経済」へ)を図れるよう、強力に政策的に後押しをしていくこと。
- この2つの目的を着実に実行できるように、今回の経済対策では、次の5つの柱を重視する。
第1の柱 足元の急激な物価高から国民生活を守るための対策
第2の柱 地方、中堅・中小企業を含めた持続的な賃上げ、所得向上と地方の成長の実現
第3の柱 成長力の強化・高度化に資する国内投資の促進
第4の柱 人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革の起動と推進
第5の柱 国土強靱(きょうじん)化、防災・減災など、国民の安心・安全の確保
- 今後、政府・与党の密接な連携の下、精力的に取りまとめを進めていく。
そしてこれを取りまとめた後、速やかに補正予算の編成に入りたい。
- 経済対策はスピードが大事であり、既にガソリン補助金等を開始しているところであるが、若い世代の所得向上や人手不足への対応の観点から、「年収の壁」支援強化パッケージについても、週内に決定し、時給1,000円超えの最低賃金が動き出す、来月から実施していく。
なお、特に注目されているのは、「年収の壁」支援強化パッケージです。これについては、次のようにコメントされています。
- 「130万円の壁」については、被用者保険の適用拡大を推進するとともに、次期年金制度改革を社会保障審議会で検討中であるが、まずは「106万円の壁」を乗り越えるための支援策を強力に講じていく。
- 具体的には、「106万円の壁」を超えることに伴い手取り収入が減少しないよう、事業主が労働者に支給する「社会保険適用促進手当」を創設し、こうした手当の創設や賃上げで労働者の収入を増加させる取組を行った事業主に対し、労働者1人当たり最大50万円を支給する助成金の新メニューを創設する。
今後の動向に注目です。詳しくは、こちらをご覧ください。
<経済対策についての会見(令和5年9月25日)>
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2023/0925kaiken.html