厚生労働省から、「賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和4年)」が公表されました(令和5年7月27日公表)。
この公表は、これまで、支払額が1企業当たり100万円以上の割増賃金不払事案のみを集計してきましたが、今回からは、それ以外の事案を含め賃金不払事案全体を集計することとし、これに伴い、集計内容を変更しているということです。
今回の監督指導結果のポイントは、次のとおりです。
●令和4年に全国の労働基準監督署で取り扱った賃金不払事案の件数、対象労働者数及び金額は次のとおり。
・件 数・・・20,531件
・対象労働者数・・・179,643人
・金 額・・・121億2,316万円
●労働基準監督署が取り扱った賃金不払事案のうち、令和4年中に、労働基準監督署の指導により使用者が賃金を支払い、解決されたものの状況は次のとおり。
・件 数・・・19,708件(96.0%)
・対象労働者数・・・175,893人(98.0%)
・金 額・・・79億4,597万円(65.5%)
令和2年4月施行の改正で、労働基準法における賃金の消滅時効の期間が「2年」から「3年(当分の間)」に延長されたこともありますので、日頃から、労働時間を正しく把握するなどして、賃金不払が発生しないようにしておく必要がありますね。
なお、監督指導結果とともに、監督指導での是正事例や送検事例も公表されていますので、確認しておくとよいと思います。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和4年)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34397.html