近年、働き方改革が様々なかたちで進められ、女性の労働参加率も上昇していますが、仕事・働き方・賃金については、性別による違いも引き続き存在しています。生産性と賃金が上昇する経済の好循環を実現しつつ、社会や家庭における役割分担の柔軟な変化を促していくためには、多くの課題があります。
そこで、財務省・財務総合政策研究所では、大学教授らをメンバーとする「仕事・働き方・賃金に関する研究会」を設け、今後、一人ひとりが能力を発揮できる社会を実現するために、どのような仕組みや制度の見直しが必要かとの観点から、男女の賃金格差をはじめ、労働市場に関するデータを踏まえた今後の課題について、調査研究を行ってきました。
その第5回会合において、総括としての質疑応答・意見交換が行われ、その資料が公表されました(令4年5月25日公表)。第5回会合の資料では、たとえば、「雇う側」の課題としては、次のような指摘がされています。
●働き手にとっての労働時間選択や働き方の柔軟性を高めるためには、職務実施の属人性を引き下げ、働き手の代替可能性を高めることが重要。そのためには、業務の標準化やチームでの業務遂行が可能となるような職の再設計が必要。
●目標設定、業務配置・育成機会、自己評価(女性の自己評価は控えめ)等について、男女差が観察される。
ダイバーシティ研修や、管理職へのフィードバック、女性のネットワーキング、メンタリングといった様々なジェンダーバイアス回避のための施策が有効性を持つためには、ダイバーシティについての組織の責任を確立することによって、経営陣が真剣に取り組むことが最も重要。
興味があればご確認ください。
<「仕事・働き方・賃金に関する研究会―一人ひとりが能力を発揮できる社会の実現に向けて」第5回会合を開催しました>
https://www.mof.go.jp/pri/research/conference/fy2021/shigoto.html