[経営人事改革の視点]職場でチームを機能させるために
<株式会社ビジネスリンク 代表取締役 西川幸孝>
チームを成立させる
現在の職場では、さまざまな立場の人材が業務に携わっていることが少なくありません。正規社員だけでなく、非正規社員や派遣社員、外国人就労者、業務委託の人材などで構成されることもあります。
日本企業の場合、正規社員が業務遂行において中心的な役割を果たし、その他の人材は補完的な役割を担うといった方針の会社が多いわけですが、考え方はそうであっても、現実には非正規社員や派遣社員が重要な機能を果たしているケースも少なからずあります。
問題は、立場の違いによる人材構造が、社員の意識にそのまま反映されてしまうことです。つまり、非正規、派遣、外国人といったジャンルで、人材がそのまま内集団(ないしゅうだん)化してしまうのです。内集団とは、自分が所属している、あるいは心理的に近いと感じる集団で、外集団とは自分が所属していない、あるいは心理的に距離を感じる集団のことをいいます。
業務を遂行する人材集団が、いくつかの内集団に分かれて人材間で垣根を感じるようなことがあれば、業務遂行にも支障を来します。職場が業務を遂行する一つの集団、ワンチームとして機能するよう、垣根を取り払わなければなりません。
特にサービス業の現場や交代制の工場ラインなどにおいては、立場の違いだけでなく、シフトによってその日のチームは常に変化しているので、その観点からも日々のチームの確認プロセスは重要になります。
病院での改革事例
プロフィール
西川幸孝
株式会社ビジネスリンク 代表取締役
経営人事コンサルタント 中小企業診断士 特定社会保険労務士
愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、商工会議所にて経営指導員、第3セクターの設立運営など担当。2000年経営コンサルタントとして独立。2005年株式会社ビジネスリンク設立、代表取締役。2009年~2018年中京大学大学院ビジネス・イノベーション研究科客員教授。「人」の観点から経営を見直し、「経営」視点から人事を考える経営人事コンサルティングに取り組んでいる。上場企業等の社外取締役も務める。日本行動分析学会会員