令和6年10月4日、石破総理が、政権発足後初めてとなる所信表明演説を行いました。
石破総理は、「ルールを守る」、「日本を守る」、「国民を守る」、「地方を守る」、「若者・女性の機会を守る」、これらの五本の柱で、日本の未来を創り、そして、未来を守るとし、その五本の柱に沿って演説を行いました。
企業実務や社会保障に着目すると、次のような方針が表明されたことが気になるところです。
● 少子化対策
子育て世帯の意見に十分に耳を傾け、今の子育て世帯に続く若者が増えるような子育て支援に全力を挙げる。こども未来戦略を着実に実施するとともに、社会の意識改革を含め、短時間勤務の活用や生活時間・睡眠時間を確保する勤務間インターバル制度の導入促進など、働き方改革を強力に推し進める。さらに、少子化の原因を分析し、子育て世帯に寄り添った適切な対策を実施する。
● 物価に負けない賃上げ
賃上げと人手不足緩和の好循環に向けて、一人一人の生産性を上げ、付加価値を上げ、所得を上げ、物価上昇を上回る賃金の増加を実現していく。
適切な価格転嫁と生産性向上支援により最低賃金を着実に引き上げ、2020年代に全国平均1,500円という高い目標に向かってたゆまぬ努力を続ける。
そのために、政府として、自由に働き方を選択しても不公平にならない職場づくりを目指した個人のリ・スキリングなど人への投資を強化し、事業者のデジタル環境整備も含め、将来の経済のパイを拡大する施策を集中的に強化する。
● 社会保障
医療・年金・子育て・介護など、社会保障全般を見直し、国民の皆様に安心していただける社会保障制度を確立する。
その際、今の時代にあった社会保障へと転換し、多様な人生の在り方、多様な人生の選択肢を実現できる柔軟な制度設計を行う。
人口減少時代を踏まえ、意欲のある高齢者、女性、障害者などの就労を促進し、誰もが年齢に関わらず能力や個性を最大限生かせる社会を目指す。
● 女性活躍と女性参画
意思決定の在り方を劇的に変えていくため、社会のあらゆる組織の意思決定に女性が参画することを官民の目標とし、達成への指針を定め、計画的に取り組む。
男女間の賃金格差の是正は、引き続き喫緊の課題。多くの女性に社会活動を長く続けてもらえるにはどうすればよいか、国民的議論を主導して制度改革を実現する。
新鮮味がない、具体性がない、自民党総裁選でアピールしていた政策がいくつか抜けているなどの批判もありますが、新たな政権が目指す重点政策の方向性や基本姿勢が示されていますので、全文を一読しておくとよいかもしれません。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<第214回 国会における石破内閣総理大臣所信表明演説>
https://www.kantei.go.jp/jp/102_ishiba/statement/2024/1004shoshinhyomei.html