[経営人事改革の視点]集団が組織として機能するために必要なこと
<株式会社ビジネスリンク 代表取締役 西川幸孝>
企業は人間集団
企業は人間集団ですが、それはもちろん売上・利益を追求する集団であり、それを実現するためには、商品・サービスをより良いものにしていく必要があります。
競合他社に対して優位に立って顧客から選ばれるように、経営努力を重ねていけば、それなりの結果がついてくるでしょう。
では、それをやっていれば万全かと言うと、そうとばかりも言えないのです。
それにはさまざまな理由があり得るのですが、一つの大きなポイントが、企業が人間集団として機能発揮できるようになっているかという問題です。
経営学などを学んで、経営戦略の立案をしたり、技術開発やマーケティング、プロモーションなどの各側面で論理的に正しいことを行ったりしていけば、それなりに成功する確率は高まっていくと考えられます。
しかし結局のところ、企業活動は経営者や社員の行動として遂行されていくので、集団形成がうまくいっていない企業では、さまざまな問題が生じるのです。
つまり、企業経営を考える場合2つの観点を持つ必要があり、一つはロジカルに経営を突き詰めていくことで、もう一つは人間集団である企業をいかに活力あるものにしていくかというテーマになります。
後者を考える際に重要なことは、人間の行動は論理性よりも感情や情動など本能のメカニズムによって引き起こされるということです。
人間集団が機能を発揮するために
プロフィール
西川幸孝
株式会社ビジネスリンク 代表取締役
経営人事コンサルタント 中小企業診断士 特定社会保険労務士
愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、商工会議所にて経営指導員、第3セクターの設立運営など担当。2000年経営コンサルタントとして独立。2005年株式会社ビジネスリンク設立、代表取締役。2009年~2018年中京大学大学院ビジネス・イノベーション研究科客員教授。「人」の観点から経営を見直し、「経営」視点から人事を考える経営人事コンサルティングに取り組んでいる。上場企業等の社外取締役も務める。日本行動分析学会会員