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【専門家の知恵】ストレス反応に差が出る思いがけない要因

ストレス反応に差が出る思いがけない要因

<Office CPSR(オフィス シーピーエスアール)臨床心理士・社労士事務所 植田 健太/PSR会員>

 

 ストレスチェックを実施していて痛感するのが、同じような仕事をしている職場でもストレス反応が全く違うということだ。

 明らかに忙しいのに休職者がいない職場と、明らかにそれほど忙しくないのに休職者が続出する職場があるのは経営者の方であればご理解いただけると思う。

 


◆その違いは何なのだろうか??

 その違いは一概には言えないが、休職者が少ない職場には、ひとつの共通点があることに気が付いたのだ。

 その共通点とは??

 その共通点とは、休職者が少ない職場は、オフィス内の整理整頓・掃除が行き届いているということである。

 書類がきちんと整理されており、備品の整理整頓、掃除も行き届いている。そんな職場では不思議と休職者が少ないようなのである。

 どうしてこのような傾向があるのだろうか?

 心理学の世界では、「割れ窓理論」(ブロークンウインドウ理論)という考えがある。

「割れ窓理論」(ブロークンウインドウ理論)とは、アメリカの犯罪学者ジェームズ・ウィルソンとジョージ・ケリングが発案した理論で、建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊されるという考えである。また、割れた窓を見た人が、「この場所は防犯に配慮していない」と感じ、犯罪を起こしても大丈夫ではないかと考えることから、犯罪の発生件数も増えると言われているのだ。

 ディズニーランドやディズニーシーでは、パーク内のささいな傷をおろそかにせず、ペンキの塗りなおしや破損箇所の修繕を見つけ次第頻繁に行うことで、従業員だけでなく、来客のマナーも向上させることに成功している。

 また、かつて業績の悪化していたアップル社にスティーブ・ジョブズが復帰した際には、割れ窓理論をあげて会社改革を行ったそうだ。ジョブス氏に「まるで学級崩壊のような会社崩壊だった」と言わしめた状況を救うには「職場の環境を徹底的に変える」ことであり、業績改善のための社風一掃の第一歩は、汚いオフィスの改善の着手だったと言われている。

 


◆雑然としたオフィスでは人間関係まで悪くなる

 整理整頓や掃除ができていないオフィスを放置しておくと「何がどこにあるのかわからず、仕事が進みにくい」「デスクが狭くて仕事がしづらい」「大事な情報が見つからない」「書類を回覧しているうちに、どこにいったかわからなくなる」「担当者が変わると、何がどこにあるかわからなくなる」「埃がたまって空気が悪い」など、仕事がスムーズに進まず、イライラがつのり、人間関係までぎくしゃくすることがある。

 また、汚い職場、乱雑な環境下では、「これでいいや」と仕事の完成度に甘さがあっても許容してしまう空気が出てくるかもしれないし、果ては不正の温床になりうる可能性があるとも言われている。

 乱れたデスク、探すのに時間がかかる書類、大掃除のたびに大量に出るゴミ、それらは「割れ窓」のメッセージである。

 あなたの職場に割れ窓状態は起きていないだろうか?職場環境を、社員の士気を、そして業績まで崩壊させてしまう「職場の割れ窓」が見過ごされていないだろうか?

 職場環境の改善は、簡単に取り掛かることのできる、しかし大きな効果が期待できるメンタルヘルス対策の第一歩である。

 まず第一歩、できるところから取り組んでいってほしい。

 

 

プロフィール

psr ueda
こころと法律の専門家 代表 日本唯一の臨床心理士・社労士事務所代表 植田 健太
Office CPSR(オフィス シーピーエスアール)臨床心理士・社労士事務所(http://cp-sr.com)代表
日本で唯一男性で臨床心理士・社労士を保有しております。企業のメンタルヘルス対策に特化しております。事務所理念は「頑張る人がより頑張れる環境作り」です。 

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