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【専門家の知恵】採用ホームページの構成と応募率を上げるためのテクニック

採用ホームページの構成と応募率を上げるためのテクニック

採用定着コンサルティングOFFICE サン&ムーン 代表 社会保険労務士 田中 亜矢子/PSR会員

 

 採用活動において、採用ホームページの役割は非常に大きい。会社のホームページは「顧客を集めること」が目的であるのに対し、採用ホームページの目的は「求職者を集めること」である。そこに必要な情報は、企業によって異なる。どのような人材が欲しいかを明確にし、採用ブランディングの方向性を決め、その内容を求職者に届けるツールが会社の採用ホームページである。今回は、「採用ホームページに掲載すべき内容」と「応募率を上げるためのテクニック」をお伝えしたい。

 

◆採用ホームページの構成

 会社の採用ホームページに何を載せるのか。そのポイントを押さえることで、あなたの会社をある程度理解した質の高い求職者からの応募がくるようになる。

 まず、トップページには採用ブランディングの要となる強いメッセージの発信や、どのような社員が働いているかがわかるような社員の顔の掲出が有効である。

 また、ホームページの構成としては「経営理念」、「会社概要」、「仕事説明」、「社員紹介」、「人事制度・福利厚生」、「人事データ」、「募集要項」、「エントリー方法」の5項目となる。では、それぞれのポイントを見ていこう。

(1)経営理念

 求職者に対して、創業の経緯や経営理念、ビジョンをわかりやすく表すことが必要である。目的はそのメッセージが生まれた背景や想いを伝え、求職者に「共感」を与えることである。

(2)会社概要

 顧客へ発信する目線ではなく、求職者にとって志望動機が持てる内容にすることがポイントである。特にB to Bのサービスをしている会社は、求職者にとってイメージがしにくいことが多い。そのため、わかりやすく丁寧に伝えることが必要である。また市場のシェア率や成長率、売上や従業員数など、具体的な数字を記載することで求職者は会社の内部をイメージしやすくなる。求職者に、この会社なら長く働ける、活躍できる、と思ってもらえるようなアピールが有効である。

(3)仕事説明

 仕事内容については、複数の募集職種がある場合、職種ごとの業務説明が必要である。配属後に自分が具体的にどのよう仕事をするのか、未経験者が読んでも内容を想定できる記載が求められる。

(4)社員紹介

 ここでは、できるだけ社員の顔や職場の雰囲気がわかる写真を掲載するとよい。理想は各世代や職種、役職ごとにまんべんなく載せることである。記載内容としては、

・配属部署、役職、名前(ニックネームでも可)
・入社年次
・新卒か既卒か
・どのような仕事をしているか
・将来の目標は何か
・趣味といった、社員の人となりがわかること
・応募者へのメッセージ 

 などがよい。なお、求職者が「このような人たちと一緒に働きたい」と思うような人選が必要である。

(5)人事制度・福利厚生

 会社の「らしさ」が表れている特色は、特にしっかり説明するとよい。人事制度がまだきちんと構築されていない場合は、その旨もしっかり記載し、今後の課題として提示することも相手に共感を持ってもらうためには有効である。また、福利厚生に関しては法定内福利厚生だけでなく、法定外福利厚生などで特色のあるものは是非記載した方がよい。

(6)人事データ

 数字で会社の人事データを表すことも大切である。具体的には、

・従業員数、平均年齢、男女比、新卒と中途の割合
・有給消化率
・育児休暇、介護休暇の取得実績
・平均勤続年数
・平均年収やモデル賃金
・管理職のうち女性比率が低い場合には今後どうしていくか等の課題

 他にも最近では親しみやすさを表現するために、社員の弁当持参率や通勤手段の割合(電車・車・バイクなど)、データを記載している企業もみられる。

(7)募集要項

 募集の案件ごとに「仕事の詳細ページ」を作成する必要がある。この、仕事の詳細ページを見るだけでも応募したくなるように、しっかりと具体的な情報を盛り込むことが大切である。

(8)エントリー方法

「エントリー」とは、求職者が「仕事の詳細ページ」を見て応募の手続きをすることを指す。そのため、仕事の詳細ページの中にエントリーフォームがあることが望ましい。ここでのポイントは、求職者はスマホで募集要項を見ている可能性が高いということである。そのため、応募手続きの際にたくさん質問をしてしまうと、面倒だと感じ応募しない可能性が高まってしまう。ここでは、

・氏名
・電話番号
・メールアドレス
・生年月日

 程度の情報にとどめ、応募手続き後に求職者と連絡がとれる情報をつかむことを目的とした方がよい。

 

◆応募率を上げるためのテクニック

 求人はある意味「広告」である。求人を見て、求職者はその仕事に応募するかどうかを判断する。多くの会社が福利厚生といった「利点」を一生懸命伝えようとするが、単なる条件で勝負していても中小企業は大企業に勝てない。「この会社で働いたら、あなたはこう変わる」という具体的かつプラスのメッセージを発信することが必要である。応募率を改善する具体的なテクニックとして下記の5つをご紹介したい。

(1)採用ペルソナの設定

「誰でもいいから応募してください」では、誰もこない。企業が求職者に求める経験軸や、ライフスタイル軸など、まずは希望の人物タイプを明確にすることが大切である。

(2)求める基準を上げすぎない

 希望する条件をすべて挙げてしまうと、それに見合う給料でなければ応募を集めることが難しくなる。ある意味、身の丈に合った採用ペルソナにしておかなければ誰からも応募がこないという状況になってしまう。

(3)専門用語を多用しない

 未経験者募集のはずが求人内容に専門用語がたくさん並んでいる状態では、「難易度が高い」と感じるため、求人内容を理解する気が起きず応募にいたらない、という場合がある。自分たちが日常で使っている言葉が業界特有の言葉なのかどうか、今一度確認してみてほしい。他業界の人に読んでもらい、理解できるかどうかを確認してもらうことも有効である。

(4)給与条件を正しく書く

 最もダメな事例は、給与条件の記入欄に「委細面談にて」といったように濁して書くことである。給与条件も、例えば「20万円〜40万円(経験により決定)」と書くのではなく、未経験者・経験者に分けて記載し、「経験を積み役職が上がると月給40万円に給与も上がる」という形で、具体的に相手にイメージをしてもらえる表記にするとよい。

(5)通勤方法をしっかり書く

 求職者は意外と通勤時間やアクセスの良し悪しを気にしている。最寄り駅やバス停などの情報も入れ、自動車通勤やバイク、自転車通勤が可能かどうかも必ず書くようにする。なお、具体的にどのエリアの人が通勤しているかという情報も、求職者にとっては知りたい情報である。

 以上、採用ホームページの構成と応募率を上げるためのテクニックについてお伝えしてきたが、自分が言いたいことではなく、「相手が知りたいこと」を書く意識が大切である。

 上記のポイントを踏まえ、求職者に寄り添う求人活動をすることで、あなたの会社の良さが相手に伝わり、応募率が増えることだろう。

 

 

プロフィール

 
代表社会保険労務士  田中 亜矢子

 

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