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【専門家の知恵】新入社員の『お客様意識』の育て方

新入社員の『お客様意識』の育て方

<コンサルティングハウス プライオ 大須賀 信敬/PSR会員>

 

◆周囲の出来事に“関心”を寄せる

「どうすればお客様により満足していただけるか」「どうしたらもっとお客様のお役に立つことができるか」という考え方を『お客様意識』『サービスマインド』などという。『お客様意識』は相手に対する“心遣い”や“気配り”の表れであり、職業人にはお客様の立場・視点に立って物事を考える『お客様意識』が常に求められるものである。

 そのため、新入社員に対する教育研修では、『お客様意識』を持つべきことを指導することが多い。しかしながら、「どうすれば『お客様意識』を身に付けられるか」「どうすれば『お客様意識』を高められるか」にまで踏み込んで新入社員を指導できている企業は、必ずしも多くはないようである。

『お客様意識』を身に付けるための方法はさまざまだが、まず新入社員に取り組ませたいのは、『お客様意識』が表れている行動や発言に「“関心”を持つ」ということである。日常生活の中には、相手への“心遣い”や“気配り”が表れている行動、発言が数多く存在する。そのような『お客様意識』が反映された行動、発言に注意を注ぐ“習慣”を身に付けさせることが、『お客様意識』を身に付けるための最初のポイントになる。

 具体的には、生活のさまざまな場面で「他の人がどのような行動を取ったか。どのような発言をしたか」を注意深く観察し、相手への“心遣い”や“気配り”という視点で考えたときに、「この行動、発言は良い」「この行動、発言は良くない」と考えることを“習慣”にさせることである。

 たとえば、買い物に行ったときなどは、店員がどのように「いらっしゃいませ」と声を発しているかを、相手への“心遣い”や“気配り”という視点で注意深く観察してみる。すると、お客様に自分の体を正対させ、笑顔で「いらっしゃいませ」と声を発している店員もいれば、お客様には目もくれず、単に「いらっしゃいませ」と大声を張り上げているだけの店員がいることにも気付くものである。このとき、お客様に正対して笑顔で声を発している店員を見て「この行動は良い」と考えたり、お客様には目もくれず、単に大声を張り上げているだけの店員を見て「この行動は良くない」と考えたりすることを“習慣”にするのである。

 

◆『お客様意識』に対する健全な“問題意識”の醸成を

 次に、良いと思った行動は「自分の仕事に活かせないか」と考え、良くないと思った行動は「自分も仕事で同じようなことをしていないか」と反面教師にしてみる。さらに、「良いと思った行動」「良くないと思った行動」「自分の行動への反映、振り返り」について、研修カリキュラムの中で他の研修メンバーの前で発表をするなどして、皆の経験を共有するのである。

 このような取り組みを継続的に行うと、次第に『お客様意識』に対する“アンテナ”が発達し、『お客様意識』に対する“感度”が磨かれてくる。『お客様意識』に対する“感度”が磨かれれば磨かれるほど、新入社員自身が「やるべきこと」「やるべきではないこと」に対する感覚が鋭くなり、『お客様意識』の向上に役立つものである。

 前述した店員の挨拶のような事例は、日常生活の中に思いの外、多数存在する。しかしながら、相手への“心遣い”“気配り”が表れた行動、発言に常に関心を持って生活していなければ、全く気付かずに見過ごしてしまうような出来事でもある。人間には「“関心”を持っていないことは、全く目に入らない」という特徴があるためである。

「“関心”を持つ」とは換言すれば「“問題意識”を持つ」ということである。新入社員に『お客様意識』を身に付けさせたいのであれば、『お客様意識』に対する健全な“問題意識”を醸成することが必要になる。そのためには、まずは自身の周りの出来事を見落とすことがないよう、「“関心”を持つこと」から始めさせたいものである。

 

 

プロフィール

psr ohsuka
マネジメントコンサルタント、中小企業診断士、特定社会保険労務士 大須賀 信敬
コンサルティングハウス プライオ(http://ch-plyo.net)代表
「ヒトにかかわる法律上・法律外の問題解決」をテーマに、さまざまな組織の「人的資源管理コンサルティング」に携わっています。「年金分野」に強く、年金制度運営団体等で数多くの年金研修を担当しています。

 

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